魔界動乱期

「火の魔力を込めた追尾弾だで。どんどんいくど!」

ボボボっとエルネスは追尾弾を六個七個と作り出し、その全てがモノケロウスに向かっていく。
モノケロウスは木を背にして、わざとギリギリでかわすと、追尾弾は木に激突して爆発した。

しかしエルネスはさらに追尾弾は数を増やし、三十個以上の弾幕がモノケロウスを襲う。
そのとき、強烈な風が吹いたと思ったら、追尾弾は全てがスパッと二つに切れ、モノケロウスに向かう途中で爆発した。

「なんだと!?」

モノケロウスの絶体絶命のピンチに現れたのは、イグニのウィドー。

「モノケロウスよ!ここは私に任せて、急いでオロチ殿の大洞窟に向かってくれ!」

モノケロウスはウィドーを見た途端、ふっと元の表情に戻った。

「オロチがやばいんだね!?よし、すぐに行くよ!ウィドー、気をつけて!そいつ、強いよ」

モノケロウスはその場を去り、オロチの下へと向かっていった。

「お前、イグニのウィドーだでな…?」

「いかにも。今は時間をかけている暇はない」

ウィドーもモノケロウスやルークと同じく、スピードを身上とする魔族である。
エルネスは追尾弾を数十個作り、ウィドーに向けて放つ。
ウィドーも風や火の魔法で追尾弾を壊しつつ、エルネスに接近する。

勝負は一瞬だった。

徐々にエルネスに近づき、接近戦に持ち込んだウィドーは、その刃のような翼でエルネスの首を切り落とした。