魔界動乱期

しかしそれはモノケロウスに、ではない。
エルネスの振り下ろした剣は、確かにモノケロウスの首を切断したかに見えた。

しかし剣はモノケロウスの首を切断するのではなく、剣の方が折れてしまったのである。
折れた剣が地面に突き刺さったのだ。

一瞬何が起きたか分からずに動揺するエルネスを、モノケロウスの角が捉えた。

「ぐっ!!」

急所は外したものの、角はエルネスの左腕を貫いた。

「なぜ剣が折れたか不思議か?俺の角はな、物質のエネルギーを活性化させられる。貴様の剣は何度も俺の角とぶつかり合った。
その度に、剣は年をとっていったんだよ!つまり寿命を迎えた剣は折れちまったのさ!
そら、お前の左腕も朽ちるぞ」

すると、みるみるうちにエルネスの左腕がシワシワになっていく。
その老化が体全体を蝕む前に、エルネスは手刀で左腕を切り落とした。

「やるでねか。ならば俺も……」

エルネスは、右手の平を上に向け、十センチ四方のボールのようなものを作り出す。

そしてそれが意思を持ったように、突然モノケロウスに向かっていった。

それが何なのかはわからないが、反射的に避ける。
すると、避けたはずのボールは、空中で向きを変え再びモノケロウスに向かっていった。

「何っ!?」

かわしきれず、足にかすった瞬間、ボールは爆発した。

「ぐあっ!」