魔界動乱期

森の大洞窟―

「ぐっ…、おのれ…」

第八師団副師団長のコルトバは手足が毒にまみれ、あとは体中に毒の侵食を待つのみ、という状態だった。
この状態になったらもう助からない。

コルトバは最後の力を振り絞って、氷の刃を作り出そうとする。
しかし、それを作成することなく力尽きた。

「ジュラララァ……」

一進一退の攻防が続く中、勝負はオロチが徐々に押していた。
毒液を右足にくらったコルトバは、その後も氷の魔法による攻撃を続けたが、バランスを崩しながらの攻撃はオロチを捉える事はなかったのである。

オロチの毒液がさらにコルトバの左足、左手を捉えた瞬間、オロチは勝利を確信した。

しかし次の瞬間、コルトバは残った右手で氷の刃を洞窟の天井に向けて放つ。
今まで外れていたと思っていたコルトバの攻撃は、実は魔力の籠った‘つらら'を天井に作り上げていたのだ。

氷の刃で一気に‘つらら'がオロチに向かって落下し、無惨にもオロチは無数の‘つらら'に串刺しになってしまった。

さらに‘つらら'の刺さった場所から‘氷の侵食'が始まり、コルトバと同じように死を待つだけの状態になっていたのである。