最後の授業が終わった。    これから彼氏のタクと会うことになっている。         今日でタクと会えるのはとうぶんないだろう。         「美奈子!まった?」     「タク!!ううん。待ってないよ」              嘘だよ。           嘘。             三十分前から待ってたんだよ。 寒かった。          「うわっ!手ぇつめてぇ!どんだけ前から待ってるんだよ。」  タクは自分がつけていた手袋とマフラーを貸してくれた。    あったかい……