ねぇ、こっち向いてよ。

ユウさんには私がいるじゃない。

どうして離れていくの…?

ねぇ、ユウさん。

嫌いにならないで…。

毎日、ユウさんの夢を見る。

ユウさんは、死ぬ一日前にそれを見越してか、私を突き放した。

お葬式、出たかった。

好きな人の最期を見届けたかった。

でも、それは無理なんだ。

私は、ユウさんの事を何も知らない。

本名も、誕生日も、年齢も、血液型も、好きなものも、全て…。

知らないんだ。