嘘偽りの愛しい体温



「さっきからどうしたんだ?泣きそうになってない?」




一人佇んでいたら不意に背後から男が声を掛けて来た



この声は…新藤さん?



私達が取り扱ってる化粧品会社で働き、若くして部長を任されている偉いさん



振り向くと予感は的中した




「こ、こんにちは」


「何かつらい事でもあった?」


「…い…いえ」




新藤さんは紳士で良い人だけど…こんな事言えない。