嘘偽りの愛しい体温



マンションへ近付く度に見慣れた景色が視界に映り込んで来る



見慣れたコンビニ、ドラッグストア、飲食店…



どれも今は見たくない…



恋人同士だったら当たり前の様に言える我が儘も言えない



そんな関係を望んだのは紛れも無い私なんだけどね…




「着いたぞ」


「昨日、今日と有難う」




私は寂しい感情を顔に出さぬ様にし、助手席から降りた。