(まったく…部屋でしてほしいな)
一人心の中で悪態をつくとまたもや深く溜息を漏らすエリック。
「わ、私もう行かなきゃ…ッ」
「…後で部屋に行くよ」
ハルウの返答にまたもや赤面するとエリックにお辞儀をして早足で部屋を出ていく海音。
パタン―…と閉まった扉に残念そうな顔をするハルウを横目にエリックは疲れたような表情で何度目か分からない溜息を漏らす。
「失礼ですが、執務中ですから」
ね?と言い満面の笑みのエリックにハルウは軽くすまないな、とだけ謝り未だに扉を見つめる。
そんなハルウを見ながらもエリックは仕事を再開すれば暫くたちハルウも仕事を再開する。
(あんな顔して…)
チラリと視界に入ったハルウの表情は執務をしていると言うのに綻ぶ頬。
(…まあ珍しいからいいけど)
そんなエリックの考えはきっとバレてはいないだろうが。

