「それは…ある意味病気ですね」
意味深なクレハの返答にさらに不安な表情をする海音。
「…でも、命に関わる病気ではありませんので安心して下さい」
「そうなの?でも私リイフォス様に見てもらってくるわ!!」
「え?あっ海音様……」
足早に部屋を出ていった海音にただ困った顔をするクレハだけが残る。
リイフォスとはリイフォス・タコォード。
この城の優秀な医者であり今では海音のよき相談相手のような者だ。
(…まったく鈍感なんですかね…)
そんな事を考えながらも自身の主の可愛さに一人頬を緩ませるクレハであった。