「まったく…泣き虫だね海音は」

「すみません…」


泣き止んで鼻を赤く染める海音をからかう
ハルウにいじけたように謝る海音。


「それより…敬語は止めてくれ」

ハルウの言葉にでも…と中々首を縦にふら
ない海音に、ハルウは少し不機嫌な表情をする。


「ハルウでいい、お願いだ」


その言葉に海音は一瞬目を見開くが次の瞬間には微笑んで、はいと頷く。


"お願い"なんてされた事ない…


父親とのやり取りは全て"命令"だった事を
思い出しハルウの言葉に海音は表情を先程
より明るくする。