「海音、入るよ?」
夜になり海音の部屋をハルウが訪れると
内側から扉が開きクレハが頭を下げる。
「どうしました?」
ハルウの突然の訪問に少し戸惑いながらも
海音が聞けばふう…と溜息を吐くハルウ。
「母上と一度会ってほしいんだが…」
ハルウは内心海音が嫌がるのではないかと
思っていたが予想外に海音はきょとんと
した顔でハルウを見上げている。
「是非会ってみたいわ!!」
そう言えばクリクリとした黒曜石のような
瞳を輝かせながら微笑む海音。
「…そうか、じゃあ明日の午後にしよう」
そう言うと海音ははしゃいだまま頷くと
興奮を隠せない様子のままハルウに微笑む。

