海音のお陰なのか善明は先方となんの
トラブルもなくスムーズに取引できる。
善明にしてみれば海音は親子とは名ばかり
愛などなくただの商売道具に過ぎない。
海音の母親は出産すると同時に体が弱く
出産してまもなく亡くなった。
善明はその後違う女と再婚したがその女は
海音なんか相手にせず遊び呆けていた。
海音は生まれてから19年、誰からも愛を
うけず、ただ外見だけを見られてずっと
生きていた。
先程の祖母も同じ、海音の外見は好き、
だが性格なんてどうでもいいのだ。
まあ海音が性格を知られないのも当然。
善明が海音には客と話す事を禁じられて
いるのだから。

