「夜月族…主、ヴェルグ…私の名前です。必ずまたお迎えに上がります」
そう言い妖艶に口元に弧を描けばヴェルグはバルコニーから飛び降りた。
「…待ってッッ!!私はハルウから離れたくないの!!」
咄嗟にヴェルグが消えた方へ叫ぶが既に夜の闇へと消え去ったヴェルグは海音では見つけられなかった。
ずるずると座り込むようにする海音の目はただ動揺し揺れ動くだけ。
「…海音さん?」
「レオルド様…」
バルコニーを通り掛かったレオルドは海音のただならぬ様子に眉間に皺を寄せると指をパチンと鳴らす。
「兄様を呼んでこい」
ヒラヒラと魔力によって出てきた蝶に言えば蝶は優雅に舞いハルウの元へと消え去る。

