「…夢の男…ッッ」
夢に出てきた夜月族の男を思いだし無意識に後退る海音。
「…覚えていたのですね?姫君―…」
「私は姫君なんかじゃないわ…ッッ!!」
叫ぶように言うが男は頬を緩ませる。
「貴方は全て忘れているだけ…まあ仕方のない事ですけどね…だけど、貴方は思い出さなくてはいけない」
「…ッッ…何も知らないもの私ッッ…」
「泣かないで下さい!!貴方に泣かれては弱りますからね…」
今にも泣き出しそうな海音にそう言えば苦笑する男。
「私の事は調べましたね?夜月族だと…そして、貴方の腕の紋章の意味も」
「でも…ッッ…私貴方を知らないし…ッッ」
海音の目には今にも溢れそうな程の涙が溜まっているのを見て男は困った様に笑う。

