「ハルウの隣の席にお座りになって下さい…それと。貴族の令嬢からは嫉妬の眼差しを受けるでしょうが…頑張って下さい」
扉の前まで来ればエリックは海音の目をしっかりと見つめそう話す。
「大丈夫、気にしないわ」
「安心しました。では、入りますよ」
エリックの言葉にこくりと頷けばそれを合図に扉を開け中に進む二人。
「…ッッ…」
「気にしませんように」
ひそひそとした話声に一瞬顔を歪めるもエリックに励まされその瞳は先程より確かに強いものへとなる。
「では…また後程」
階段の下まで来ればエリックはそう呟き人混みへと消えていく。
「海音」
「ハルウッ」
上から聞こえた声に見上げれば階段の上のホールにはハルウ達王族が皆座っている。