ひし形のお守り


少女は走ってそろそろ疲れてきた頃、自分の家が見えてきた。

少女はホーッとひと息ついて、中に入る前にもう一度両親を呼んだ。


『父さーん?母さーん?』


中から返事なない。


───ドクドク


家の戸を開ける少女の手は震えていた。


───大丈夫。中にはちゃんと父さんと母さんがいて、笑顔でおかえり、って言ってくれる。