「ん………」
暖かい光が、俺を照らしている。
とっても、清々しいはずなのに、何処か胸が苦しくなる。
「桜ー? ドコだ?」
いつも、俺より先に起き、リビングにいるはずの桜がいない…
桜の代わりにあるのは、”隼人へ”と書かれた手紙だった…
「!?」
これは、間違いなく桜の字だ。
しかも、いつもの適当な字ではなく、
まるで、”これで最後”と言わんばかりに丁寧な字だった。
それに何処か違和感を感じる。
何故、桜は直接ではなく手紙を書いたのだろうか。
つたえるなら、直接でも良いはずだ。
でも、桜は手紙を使った、そして、今ここに桜はいない…
それで考えられるのは、1つしかない…
”出て行った”--------。
俺はすぐ、着替え、家を飛び出した。
片手には、桜が書いた手紙を持ちながら…