「服…そろそろ買わねーとなー」
桜が此処に住むようになってから数日、
桜は今だに俺のTシャツを着ている。
何も変わらないままの楽しい日々…
変わったと言えば、桜が敬語じゃなくなった事だ。
『服!?行きたい!!』
俺のTシャツで今まで我慢していた桜は、
”服を買いに行く”と言う言葉を聞くと、
まるで、久しぶり外に出してもらった犬みたいにはしゃいでいた。
「よし、じゃあ買いに行くか!!」
俺は、ゆっくりと立ち上がりながらそういった。
『うん!!行こう!!』
すると桜は、”早く行こう”と言うように
俺の背中をぐいぐいと押した。
「おっと…その前に…
桜、前来ていた真っ白いワンピースを着て来い」
桜の格好はもちろん俺のTシャツ、
さすがに、そのままではいけないので、
俺達が会った時に来ていた真っ白いワンピースを着てもらう事にした。
『?…はぁーい、わかりましたぁー』
桜は一瞬、意味が分からない、と言う顔をしていたが、
自分の格好を見て、意味が分かったのか着替えるため洗面所へと向かっていった。