ダッフルコートのポケットの中で手を繋いだまま見上げる花火。


じわじわと同じになっていく2人の手のぬくもり。


黙って花火を見上げてる冬馬の横顔がキレイで


少しドキドキして…



……。


……。



「って、違う違う違う違う!!」



頭をブンブン振って残像をかき消す。


冬馬と体温分け合いっこはもう終わり!!


これからのあたしは体温を奪われる側じゃなくて、与えてもらう側になるんだから!!


今思い浮かべる顔は熊田先輩の顔!!


目を閉じてむんむんむんと思い浮かべる。



「……はっ!!」



あたしは慌てて目を開けた。


冬馬がくまごろうなんて言うから、クマ耳をつけておどけたポーズを取る熊田先輩が出てきちゃったじゃない!!