俺が恋しくなってって…



「は、は? なんであたしがあんたを恋しがらなきゃならないわけ!?」


「もうお前の体は俺なしじゃいられなくなってんの」


「は? 意味わかんないんですけど!!」



一線を越えた男女の関係みたいな言いように、なぜか恥ずかしさが込み上げ顔に一気に熱がこもる。



な、なんであたしが恋しがらなきゃならないの!?


冬馬の低体温に迷惑してるのはあたしだっていうのに。


っていうか、あたしがいなきゃダメなのは冬馬の方でしょうが!!



「意味はその時わかるし。…で、くまごろうとはもうキスしたの?」


「したに決まってるでしょ!!」



あたしは恥ずかしさと苛立ちをそのままに即答すると、思いっきり机に向き直り乱暴に雑誌をめくった。


もう怒った。


この先何があろうと冬馬に体温を分けてあげることは一切してあげないんだから!!


家にだって入って来れないように鍵かけてやる!!



「したんだ、へぇ…」



後ろの方でそんなトーンの落ちた声がした気がしたけれど、あたしの耳はそれを受け付けなかった。