一緒に手を繋いで歩いてた女子生徒って誰よ。
冬馬のあの冷たい手をあたし以外の女が温めてるの…?
……って、何よこれ。
これじゃまるであたしが嫉妬してるみたいじゃない。
冬馬の暖房役から外れて良かったじゃない。
これが望んでたことでしょ。せいせいしたでしょ。
「あーーー、もう、ダメ。ダメダメ」
ブンブン頭を振る。
もう冬馬のことは考えないようにしなきゃ。
そんなことよりも、明日の先輩と行くお祭りのことに集中。
明日も冷えるってお天気お姉さん言ってたから厚着してかなきゃ。
「そうだ。手袋手袋」
あたしはお出かけ用のファー付きの手袋をタンスから取り出し、机の上に置いた。
忘れないようにしなくちゃね。
ぽんぽんと手を乗せ、
さて、洋服はどうしよっかな。
クローゼットへと足を進めた。

