「へ、へぇ。あいつにも彼女が出来たか」
やだ、今、もやもやが増えた…。
「昨日の今日でそこまでは分からないけど。
でも、今までラブレターも女子からの呼び出しも全部無視してきたあの王子がこんなことするって、心境が変わったとしか思えないよね? その原因はやっぱり未菜に彼氏が出来たから?」
「まさか」
あたしはお弁当の蓋を閉めて、お箸をお箸ケースに入れる。
「あたしたちはただの幼馴染だもん。それ以上、それ以下でもないの」
「ふーん。それならいいけどさ…、あんた、また眉間にシワ増えてるよ」
眉間を手でぱっと隠すと、アキコにからかうような笑みを向けられた。