その冷たい手、温めてあげる。



「えっ、あ、はい」


「1つ聞いてもいいかな?」


「…? なんですか?」



先輩は1つ間を置いてから少しだけ気まずそうに言葉を発した。



「…さっきの子と、未菜さんの関係って…?」


「えっ?」


「いや、毎日一緒に登校してきてたから」


「ああ。ただの幼馴染ですよ。家も隣同士なんです」


「そうなんだ…」



少しだけ声のトーンが落ちた先輩。


さっきの事がそんなに気になるのかな?


ま、なかなかあんな場面に出くわすことなんてないし、先輩だって驚いたよね。