「はぁ、はぁ…。もう、終わってる…」 サッカー場に着いた時には、誰一人いなくて、傾きかけた太陽が、グランドを照らしている。 「遅かったかぁ」 息を整えながら、階段を降りたると、悠真と風香の姿が見えた。 「由香里!?」 「あ、悠真…」 着替え終えた悠真は、シャワーを浴びたのか、髪が濡れている。 「来てくれたんだね、由香里!」 「風香…」