「由香里ちゃん」


「あ、はい…」


我に返って振り向くと、先輩が笑っていた。



「行きなよ。サッカー」


「え?」



「ホントは行きたいんだろ?“彼”の所に」



「でも…」


今さら、そんな…。


「きっと、オレもそんなに、由香里ちゃんが、好きじゃなかったんだと思う」


「先輩…」


「だから、行っておいで」