あたしの側に立っている悠真は、上半身が裸。 濡れた髪をタオルで拭きながら、ケーキを覗き込んだ。 「思い切り、真ん中に刺してんじゃん」 「だって…」 緊張してたら、無意識に刺してたのよ。 きっと、また“がさつ”って思われたんだわ。 「ちょうだい」 悠真はそう言うと、あたしの手を持って、フォークに刺さったケーキを口に入れた。