柔らかな月光を浴びながら小さくなってゆく雷の後ろ姿を見送り、自分が持っている鍵で玄関を開け家に入った。
いつも通り、『ただいま』の一言も言わず、明かりがついているリビングを素通りし、足早に二階の自分の部屋へ向かった。
鞄を部屋に置き、お風呂に入った。
パジャマに着替え部屋へ戻る。ドライヤーで髪を乾かし、ベッドにダイブした。
柔らかなベッドの上で雷の言葉を思い返した。
お風呂あがりとは別の温かさが私のなかに広がり、私は珍しく心地よく眠りにおちていった。
その日以来、私と雷は毎日一緒に寄り道をする『寄り道同盟』になった。