青薔薇姫




「どこだ!?どこにいるんだ!?」


『どこにいるかまでは知らないよ。



……でも瑞華、自分から水狼を離れたんだと思う。

"水狼なんて嫌い"って、よくあたしに愚痴ってたからねー。』


………は?


"水狼なんて嫌い"?


瑞華が?


「てめぇ…、嘘も大概にしろよ!!」


『嘘じゃないよ?嘘じゃないから、離れてったんでしょ?』


「……っ…。」


……何も返す言葉がなかった。


『瑞華は紫苑を……水狼を裏切ったんだよ。』


ブチッ


これ以上聞きたくなくて、むりやり電話を切った。