「……もしもし。」 いつもより声が低くなる。 『俺だ、紫苑。どうした?そんなにイライラして。』 「……さ、彩都さん?」 予想外の相手に、思わず間抜けな声が出た。 『今日なんで学校来なかったんだよ。』 「いや…、まぁいろいろあって…。」 『はぁー…。お前ら留年しても知らねぇぞ?特に彰人と零也はただでさえバカなんだから。』 「ハハ……明日は行きますから。……それで、何か用があったんじゃないですか?」 学校以外で彩都さんと話すのなんて、普段あまりないこと。 よっぽどの話なんだろうか……?