紫苑はあからさまに顔を歪めた。


病院から倉庫に帰ると、下っ端達があたしを取り囲んだ。


「えっ……えっ?」


あたしは戸惑いながら紫苑を見ると、黙って笑ってくれた。


"大丈夫だ"っていうサインなのかもしれない……。


あたしはもう一度、下っ端達全員の顔を見渡した。


「……瑞華さん。」


「え……。」


そこには、真剣な顔をしている圭吾の姿。


「俺達、今まで瑞華さんの外見しか見てませんでした。

大事なものは外見より中身だということを、忘れていました。」


「……。」