「なんで……スパイなんてやってるの…?」


「んー…5代目のときだったかな?」


お兄ちゃんの前だ…。


「そのときのハッカー……あ、今でいう尚希ね?そのパソコンに、厄介なウイルスが侵入しちゃってさ。だからしばらくパソコン動かなくって。


それで奇襲してくる族の人数も場所も時間も、何も分かんないまま戦ったの。


もちろん水狼が勝ったんだけど、何も準備できてない状況だったから、ほとんど全員ケガしたの。


そこで、二度と同じ目に合わないように、当時の総長が考えたのが、スパイ。


あらかじめ他の族の状況とか、奇襲のこととか聞き出して、詳しい内容はハッカーに任せる、っていうのを導入したの。


それで、スパイに任命されたのがあたしってわけ。顔の広さを買われてね。


お分かり?」