「きゃっ…離して」 俺の腕の中から逃げようとする美結。 …悪いけど、オンナのお前には無理だ。 「ひとりぼっち…」 逃げられないと分かったのか、美結はおとなしくなった。 「…俺がいる」 気付けば、そんなことを言っていた。 「うっ…、……っ」 俺をじっと見つめたあと、美結は大声で泣き出した。 俺のTシャツを握り締めて、美結は泣き続けた。 大粒の雨が美結の体を冷やさないように、俺は強く抱きしめるしか出来なかった。 その体は、やっぱり折れそうなほど細くて。