「あ、あの…」 「ん?」 扉のところに立って、こっちをじっと見つめている。 何してんだか。 「黒髪の、男の人…大丈夫ですか?」 「…何で?」 低い声で聞き返すと、美結は戸惑ったように答えた。 「あたしのこと…嫌ってる、から?」 最後が疑問なのが笑えたが、顔には出さないようにした。 「それはお前じゃなくて、オンナが嫌いだから」 「…え?」 「だから心配すんな」 そう言われても…って顔をしているが無視した。