「………」




着いてしまった、家の前。




動こうとしない足が、あたしの気持ちを表している。




さっきまで明るかったはずなのに、陽が傾き始め、街は闇に包まれ始めた。




そろそろ帰らないと本当にヤバい。




命を失うかもしれない。




覚悟を、耐える覚悟をしなければ。




「っ」




拳をぎゅうっと握り締めて、目を瞑る。




…大丈夫。




頑張れ、あたし。