「おい、起きろ」



「ん…」



うっすらと広がる景色に、人影が見える。



「美結」



その低い声で、あたしの脳が正常に働き始めた。



「った!!」



勢いをつけすぎたらしく、その人物にぶつかった。


「ご、ごめん…蓮」


怒られることを恐れて謝った。