「お兄ちゃんのおかげで、家族の仲もすごく良かった。」 「うん」 「ある日ね、家族で海に行こうってことになったの」 声が震えているのが分かった。 「仕事で忙しいお父さんだったから、あまり出掛けたことがなくて、あたしは大喜びだった。 海に行きたいって、言ったのは…あたし」 「……」 「泳ぐの得意じゃないのに…それなのにあたしはっ」 「美結、もういい」 「ダメなのっ!!」 激しい後悔が襲って来た。 美結は、変わろうと頑張ってる。