蓮 side


「うまく話せるかは、分かんないけど…」




不安な顔をする美結に、大丈夫だからと呟いた。




ソファに並んで座る。




緊張してるのか、俯いたままの美結。




…だから、焦らなくていいって言ったのに。




「タバコ吸っていい?」




「うん、いいよ」




安心させるように、いつも通りに接する。




少しの沈黙の後、美結が口を開いた。




「満は、あたしの3つ上のお兄ちゃんだった」




満は…美結の兄貴か。




「すっごく優しくて、頭もよくて、人気者で…自慢のお兄ちゃんだった」




遠くを見つめる美結の視線の先には、満が映っているのだろうか。