「蓮…」 「なに?」 部屋を出ようとしていた蓮が振り返って、あたしは自分が無意識に名前を呼んだことに気付いた。 「あ、ごめ…」 「いつでも聞くから」 「え?」 「焦らなくていい。話してくれるまで待つから」 何でそんなに優しいの…? こんなあたしのこと、ちゃんと考えてくれてるって、伝わってるよ。 「…話す」 「だから焦ら」 「今、話したいの」 真っ直ぐにその瞳を見つめる。