美結 side


「ん…」




目が覚めて、見えた景色は全く見慣れない景色。




どこかから聞こえてきた波の音に、海だと分かった。




窓の方に視線をやると、もう夜になっていた。




「…っ」




溺れかけたことを思い出して、体が震えた。




あの時の記憶が、鮮明に蘇って来る。




「みつる…」





その名前を、何度無意識で呼んだだろうか。




みつる。




……ごめんね。