歩きながら、1年前を思い出していた。 幸せな時間を。 『紗菜。寒いだろ』 ふわっと私の首に巻かれる 彼の温かいマフラー。 『でも、それじゃ…』 『いいよ、俺は。 紗菜が風邪ひく方が 俺が風邪ひくより、辛いから』 『……!』 私は、嬉しくて幸せでしょうがなくって ニコッと笑ったことを覚えている。 ふと寂しくなって 自分のマフラーをぎゅっと 握りしめて、歩いた。 これが、彼のマフラーなら よかったのに。