「…蒼平、ここ教えて?」 「うん!ここね、これを…」 大好き、とか大切にする、とか 言われた次の日で 少し恥ずかしかった。 「…ねぇねぇ、あの二人って 急に仲良くなったね」 「確かに…。そういえば昨日 田原の調子が悪いのなんの!」 「何それ!…それは怪しいねぇ」 温かい(?)目で 周囲が見守っていることも知らず 私は好きな人と 話ができる幸せを かみしめながら いつもは苦痛な数学の宿題を 初めて誰かと一緒にした。