大切なキミへ。 短編集☆





数時間前の自分がうらやましい、

なんてそう思ってしまった。



どうして?
いつもムカついていたはず。


もう、きっとブレザーを
顔面キャッチする必要も

彼氏でもない奴から
彼女みたいな扱いを受けることも
ないんだよ。








田原はきっと、
あのメアドの子と付き合うつもりなんだ。


昼休みにブレザーをキャッチするのも、
おかずを何か食べられるのも、
おやつを用意するのも
一緒にふざけあうのも、
田原に宿題を見せるのも、




ぜんぶ  ぜんぶ、



…私じゃ、

     なくなるんだ……。