大切なキミへ。 短編集☆





ごめんなさい、と素直に
謝れば許してくれたかもしれないのに


どうして私は今逃げるように
次の授業の場所…

美術室に向かっているのだろう。




ブレザーと紙は

近くの机の上に置いてきた。




待てよ、と止める声は

聞こえなかった。






飛び込むように教室へ入ると、

「どうしたの?」
と友達に声をかけられたが、

「…あ、遅れそうだなって思って」

「あはは、真面目だなぁ」


次の瞬間、チャイムが鳴った。