ごめんなさい、と素直に 謝れば許してくれたかもしれないのに どうして私は今逃げるように 次の授業の場所… 美術室に向かっているのだろう。 ブレザーと紙は 近くの机の上に置いてきた。 待てよ、と止める声は 聞こえなかった。 飛び込むように教室へ入ると、 「どうしたの?」 と友達に声をかけられたが、 「…あ、遅れそうだなって思って」 「あはは、真面目だなぁ」 次の瞬間、チャイムが鳴った。