「もう、ここに落ち着けるって
思ってたのに…
引っ越すの、いやだよ…
こんなに楽しい学校、
初めてだったのに…
こんなに仲のいい人が
できたのも初めてだったのに…」
君の瞳から、
一粒。
また一粒。
滴がこぼれる。
気が付けば私も涙していた。
あぁ、そうか。
残される私も辛いかもしれないけれど
新しい環境に旅立つ君の方が
ずっとずっと、辛いよね。
二人でわんわん泣きながら
通学路を歩いた。
周りの人は驚いた様子で
私たちを見ていたけれど
私たちは構わなかった。
学校の正門に着くころには
やっと泣き止んでいた。


