「ごめんなさい、
ちひろちゃん!
尾田君の治療、任せたわ!
マッサージの本はあっち!
湿布はここだから!」
そう言って、
走って保健室を出ていく先生。
「…え?」
「…は?」
二人、取り残される私たち。
いや、確かに
湿布を貼ってマッサージ
くらいなら
素人の私でも
できるだろう…
けれど、
問題はそこではなくて。
「どう…したら…!?」
とりあえず立ち上がって
私は本を取りに行く。
「えっ!?鈴川!?
いいよ、自分でやるし」
「あっ、でも
本をとってくるくらいなら
やりますから!
先輩は座っててくださいっ」
「…じゃ、お願いする」
本をとってきて、
先輩がそれを見ながら
マッサージするところを
少し、見ていた。


