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「あっ、先輩…!」


「あ、鈴川!
どうしたの、今日」


「いえ、移動教室で
こっちの方が
近道、かなって…」




2時間目の化学基礎が終わって
先輩の教室の前を通って
クラスへ帰ろうとした私と
私の友達。



「そっか。
ごめん、俺
次体育だから。

ちょっと急ぐわ」



体操服と
体育館シューズを
片手に持った

尾田先輩は
私に笑顔を見せると、
体育館の方へ
軽く走って行った。