*** 「あっ、先輩…!」 「あ、鈴川! どうしたの、今日」 「いえ、移動教室で こっちの方が 近道、かなって…」 2時間目の化学基礎が終わって 先輩の教室の前を通って クラスへ帰ろうとした私と 私の友達。 「そっか。 ごめん、俺 次体育だから。 ちょっと急ぐわ」 体操服と 体育館シューズを 片手に持った 尾田先輩は 私に笑顔を見せると、 体育館の方へ 軽く走って行った。