大切なキミへ。 短編集☆






沙和先輩の家に着くと、
いきなり沙和先輩は、

「あ、山口!あんたが
読みたがってたマンガがあるから
そこでちょっと待ってなさい」


「あ、はい…?
俺そんなこと言ったっけ…?」


「言った!
待ってなさいよ?」


「は…はぁ…」


そういうと、沙和先輩は
こっちを向いて、


「あー、尾田!
ちょっと時間かかりそうだから
先にちひろを家に
送って来てくれる?」


「…はいっ」






私は、沙和先輩の
気持ちに何も気づかなかった。

…この時は。