大切なキミへ。 短編集☆




少し歩いて、
山口先輩が振り返った。

「じゃ、まずは沙和さんの
家から行きますか」


「そうだね、
あたしの家の方が遠いし」


そういうわけで
私たちは歩いて
沙和先輩の家へと
向かった。


沙和先輩の家には
何度かお邪魔したことがある。



沙和先輩のお母さんも

先輩に似て、
陽気で、はきはきとしていて
嫌みのない人で
私も大好きだ。



歩く途中、
私はずっとドキドキ
しっぱなしで。



それはさっきの
肩を触られたせい?




それとも……