少し歩いて、 山口先輩が振り返った。 「じゃ、まずは沙和さんの 家から行きますか」 「そうだね、 あたしの家の方が遠いし」 そういうわけで 私たちは歩いて 沙和先輩の家へと 向かった。 沙和先輩の家には 何度かお邪魔したことがある。 沙和先輩のお母さんも 先輩に似て、 陽気で、はきはきとしていて 嫌みのない人で 私も大好きだ。 歩く途中、 私はずっとドキドキ しっぱなしで。 それはさっきの 肩を触られたせい? それとも……