少し遠くを歩く二人を、 追いかけるような形で そっと後ろを歩く。 あと、100mで別れ道。 ケータイを取り出して いじるフリ。 しっかりと繋がれた二人の手を見るのは あまりに辛すぎたから。 「あっ!」 あの子の声に思わず顔を上げた。 あの子は私を見て、 楽しげに手を振っている。 私はぎこちなく… ぎこちなく笑い手を振りかえした。 あの子は私と君のこと、 知らないもんね。