君に伝えたいことがあるんだ

「私は、薬とかケガのための治療道具持ってくるから」

「あぁ」

母親は、俺の部屋から出て行った。俺の母親は看護婦だ。今日は夜間勤務じゃなくて、本当によかったと思う。

俺だったら、どうしていいか、わかんなかったからな…。

「先輩…」

俺は、先輩の頬を触り、呼ぶことしかできない。
もっと早く気づいてあげれば、先輩をこんなに傷つけることなんてなかったのかもしれないのに。

「ごめんね。先輩…」